人は、健康や美しさのためにバランスのとれた食事や運動をします。
それでも補えない必要なビタミン類を、サプリメントで補います。
ビタミンは人の体内で合成出来ず、食事から摂取する必須成分です。炭水化物などと異なりエネルギー源や体を作る成分ではないですが、健康を維持するために欠かせない存在です。
ビタミンには脂溶性と水溶性があります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
特徴 | 種類 | |
脂溶性ビタミン | 脂に溶けやすい、排出されにくい | A、K、D、E |
水溶性ビタミン | 水に溶けやすい、過剰に摂取しても尿から排出される | B1、B2、ナイアシン、B6、ビオチン(B7)、B12、葉酸、パントテン酸、C |
水溶性ビタミンは尿に溶けやすいため、すぐに排出されます。そのため、美肌や健康を維持するためには毎日摂取する必要があります。
その中でも美容に欠かせないビオチンについて詳しく説明していきます。
ビオチンとは
ビオチンは水溶性ビタミンであるビタミンB群の1種です。
オランダの研究者によって発見され、皮膚の炎症を防止する働きが見つけられました。
ビオチンは食事から摂取したり、人の腸内の善玉菌でも合成されます。ただし、善玉菌で合成される量は微量なので、食事やサプリメントから補います。
ビオチンを多く含む食品
ビオチンは、キノコ類、肉類、種実類、卵類、魚介類に多く含まれています。
これらは普段の食事からも摂ることが出来るので、意識して摂取しなくても大丈夫です。
ビオチンの効果
そんなビオチンですが、実は効果がたくさんあります。
糖代謝
ビオチンは補酵素として糖代謝に関わり、カルボキシラーゼの働きを助けます。補酵素とは、酵素を補う成分のことです。
人は、炭水化物をブドウ糖に分解し、そこからエネルギーに変換し体を動かします。ビオチンは、炭水化物の分解を助け、血糖値を調整する働きがあります。
また、ブドウ糖からエネルギーに変換するときに発生する「乳酸」は、体に溜まると疲労感や筋肉痛を引き起こします。ビオチンは乳酸をブドウ糖に戻す働きもあり、疲労感・筋肉痛を改善します。
脂質の代謝
脂質の主成分、脂肪酸の代謝に関わっています。脂肪酸は肌のバリア機能を高めるのに重要で、健康な角質層を作ります。
さらに免疫機能を正常化して、アレルギー症状を抑える、炎症作用が起きないようにコントロールする働きがあります。
タンパク質
タンパク質の元であるアミノ酸の代謝に関わります。毛髪や皮膚、筋肉などにアミノ酸が集まってタンパク質を合成します。ビオチンはタンパク質の合成をサポートする働きがあります。
肌荒れ
肌の新陳代謝を高め、ニキビなどの肌荒れを改善します。
皮膚の炎症やかゆみの原因の1つ、ヒスタミンの産生を抑える働きもあります。
なので、アトピー性皮膚炎の治療にも有効です。
また、ビオチンは粘膜にも作用するので口内炎にも効果があります。
頭髪
髪の毛のタンパク質であるケラチンに作用するため、頭髪にも効果があります。
髪の毛に栄養が届きやすくなり、毛が抜けにくくなる、白髪に効果が期待出来ます。
ビオチンの副作用
ビオチンによる健康被害の報告はほとんどありません。なので、副作用もほぼないです。
水溶性ビタミンのため、仮に多量摂取しても不要なビタミンは尿として体外に排出されます。
しかし、まれに欠乏症を起こす場合があります。
ダイエットや偏食で食事制限があると、ビオチンが不足することが原因です。
ビオチンが不足すると起こること
皮膚炎や口内炎などの炎症、白髪・脱毛、食欲不振や吐き気、疲労感、うつ症状の原因になります。ひどくなるとけいれんや、糖尿病、免疫不全症に繋がることも。
なので、欠乏させないために不足する原因をここでご紹介します。
生の卵白を多量に長期間摂取した場合
卵白中のアビジンというタンパク質がビオチンと結合し、吸収率を下げてしまいます。
ただし、1日5~6個以上の生卵白を食べ続けた場合にこの欠乏症は報告されることが多いです。なので、卵白を食べないなど極端に卵白を避けなくても大丈夫です。
加熱すればアビジンは変性するので働きが失われます。
慢性的な下痢、抗生物質を長期間飲んでいる
慢性的な下痢が続く、抗生物質を長期間飲んでいると腸内環境のバランスが崩れ、善玉菌が少なくなることがあります。そうなると腸内でビオチンが作れず、結果欠乏症になる場合もあります。
抗けいれん薬を飲んでいるのも、ビオチンの吸収が阻害、尿中に排出されやすくなったりするので注意が必要です。
おわりに
いかがでしたか。
ビオチンは普段の食事や腸内で作られるので、不足しにくいビタミンの1つです。
ですが、体内のさまざまな代謝に関わっているので、欠乏すると重大な病気に繋がってしまいます。
なので、極端なダイエットをしている人は普段の食生活を見直し、不足している場合にはサプリメントで補ってください。
肌荒れや口内炎にも効果があるので、気になっている人もサプリメントや食事で積極的に補ってください。
ぜひ、参考にしてください。